札幌市交通局に公開質問状を送付致しました。


 交通の男女差別に反対する会では、昨年12月25日より、
「女性と子どもの安心車両」を導入した札幌市交通局に対し、
2009年1月5日付で公開質問状を送付致しましたので、お知らせいたします。

 公開質問状に対し回答を頂けた場合は、回答が到着次第
出来るだけ速やかに、当会ウェブサイト上にて公開いたします。
 また、当会で提示した回答期限を過ぎ、2月6日(金)になっても
回答を頂けなかった場合は、「公開質問状に対する回答は拒否」
されたものとして、当会ウェブ上でお知らせいたします。


以下に公開質問状の内容を公開いたします。
なお、あて名、署名、冒頭のあいさつについては省略しております。
 さて、私共「交通の男女差別に反対する会」は、平成19年9月に「女性専用車両に反対
する会」と連名にて、貴局に女性専用車両を導入しないよう意見書をご送付致しましたが、
残念ながら貴局では、平成20年8月に女性専用車両の導入実験を、そしてつい先日、
昨年12月15日からは「女性と子どもの安心車両」と言う名称で正式導入されました。
 このため、私たちは貴局に公開質問を致しますので、それぞれの質問について、理由を付
して、具体的に文書にてご回答をお願い致します。

 恐れ入りますが、ご回答は平成21年1月末日までに、同封の返信用封筒を使用して、
配達記録または速達にて返送していただければ幸いです。
 なお、この質問状に対するご回答につきましては、その有無も含めて、当会のホームペー
ジに掲載
いたしますので、その点を考慮されたうえでご回答をお願いいたします。
 ご多忙中のところを恐縮に存じますが、ご返事賜りたくお待ちしております。




【1】「女性と子どもの安心車両」と言う名称について

 貴局では、他の鉄道事業者と同様の「女性専用車両」という名称を、安易に使用
しなかった点については評価することができます。
 しかしながらこの名称は、「女性と子ども」以外、つまり中学生以上の男性と同じ
車両に乗車することは“不安”であると言うことと同じです。
 根本的な問題(男性の乗車を事実上制限する)が他の事業者と同じ以上、どのよ
うな名称であっても男性に対する差別的名称になるかとは思いますが、貴局ではど
のようにお考えでしょうか。


【2】周知方法(内容)について

 貴局ウェブサイト上において、「男性の協力は任意であるため、乗車を拒否するこ
とはできない」と明記しており、この点は他の鉄道事業者とは異なり、大変評価
することができます。
しかしながら、ポスターではこの点が明記されておらず、実際には『直接問い合
わせた人』や『ウェブサイトで見た人』などのごく一部の人のみしか知ることがで
きず、十分な周知を行っているとは言えません。今後もこの車両を継続するつもり
なのであれば、ポスターなどにも「協力は任意で、健常男性の乗車も拒否できない」
旨を記載すべきだと思いますが、いかがでしょうか。


【3】アンケート結果(Q2)より

 女性専用車両導入必要性選択理由について、
(1) 選択理由として記載されている内容「痴漢被害が減少する」などは、選択肢と
  して提示したものなのか、それとも回答者が自由記述で回答したものなのか。

※(2)から(4)は、『選択肢として提示した』場合のみご回答ください。

(2) 「異性と同じ車両に乗らなくてよい」は公共交通機関に対する意見としては論
外ではないか?

(3) 「痴漢に間違われる心配がなくなる」とは、女性が他の車両にも乗車している
以上、痴漢冤罪の被害はなくならないのではないか?
また、大阪市で発生した「でっち上げ」といった犯罪は全く防げないのではないか?

(4) 「乗車後の車両間移動ができなくなる」は、実験時より一番端の車両に設定し
ているので、選択肢として不要ではないか?

(5) 「痴漢被害が減少する」については、以前の意見書において、『名古屋市交通局
では専用車両の導入後に減っていない』、『すでに導入している事業者でも横ばいか
増加しているケースもある』と記載させていただきました。
 東京 千住警察署(管轄するJR常磐線、地下鉄千代田線、つくばエクスプレス、
東武伊勢崎線に女性専用車あり)では、痴漢の発生件数を公表しており、平成19
年は前年より15件増加しています。
 また、2006年の朝日新聞(女性専用車首都圏一斉導入の1年後)では、JR埼京線
では件数が減少したものの、JR中央線(快速)、京王電鉄では増加しているとの記事
もあります。痴漢対策としての効果には甚だ疑問がありますが、貴局ではいかがお
考えでしょうか?


【4】まずは混雑緩和ではないですか?

 札幌市営地下鉄南北線の時刻表を拝見すると、朝のラッシュ時でも1時間に15
本。概ね4分間隔での運行のようですが、増発の余地が十分あるかと思います。
 まずは混雑緩和の対策をし、それでも痴漢件数が減らない場合に、緊急対策とし
て初めて導入の実験をすべきではなかったですか?


【5】そもそも、実質的に男性を排除することは差別ではないですか?

 最後に、【1】及び【2】とも関係しますが、ある属性(男性)を理由に、その範
疇に属する人たちすべて(子供や身障者を除く健常な男性利用客すべて)を実質的
に排除するのは、他の差別の場合と同様、立派な「男性差別」にあたります。
 「『女性専用車(女性と子どもの安心車両)』は、一部の車両だからいいではないか」
という人がいますが、この種の言い訳は通用しません。なぜなら、排除の論理によ
って、現実問題として、男性にしわ寄せが来ているからです。
実際、「女性専用車」による「男性差別」により、男性利用客は多大な迷惑(不快
感や不利益)を被っています。その不快感とは、「自分が痴漢扱いされているような
気持ちになること」であり、またその不利益とは、「急いで乗ろうとしたら『女性専
用車』だった」とか、「『女性専用車』の前後の車両は混雑が激しい」などです。
 ところで、AERA(2006年7月17日号)の「『女性専用』は男性差別か」という
アンケート形式の特集記事によりますと、女性の場合、「女性専用車」を「男性差別」
と感じている女性より、「男性差別」と感じていない女性の方が圧倒的に多い(24
対126)という結果が出ています。
一方、男性の場合、ほんの少しではありますが、「女性専用車」を「男性差別」と
感じている男性の方が、「男性差別」と感じていない男性よりも多い(91対87)
という結果が出ています。
 昔から、「差別された者にしか、その痛みはわからない」と言われています。であ
るならば、「女性専用車」については、実際に迷惑を被っている男性利用客の考えを
もっと聞くべきではないでしょうか、そして、その意見を真摯に取り入れるべきで
はないでしょうか。

以上




2009.01-05